憧れのアメリカのフィルム・スターのような、日焼けした笑顔からこぼれる白く輝く歯も、日本では今や珍しいものではなくなった。1970年代、アメリカの矯正医によって偶然発見された生活歯の漂白法は、安全で効果的な歯のホワイトニング法として、現在では広く日本の臨床家にも認知され、審美歯科の定番テクニックとして定着している。
10%過酸化尿素とカスタムトレーを使用した生活歯の漂白法は、1989年に North Carolina大学のHaywoodとHeymannが世界で初めて発表した。同年、アメリカのOMNI社により、これを応用した初のホームホワイトニング材「WHITE&BRIGHT」が製品化され、生活歯を手軽に白くするホームホワイトニングが世界に広まるきっかけとなった。
1989年といえば、アップルコンピュータがSE/30を発表、NECは「98ノート」、任天堂は携帯ゲーム機「ゲームボーイ」の発売を開始した。また、長く続いた激動の昭和から平成へと年号が変わった年でもある。
その後、ホームホワイトニングは審美歯科の世界的な波及とともに急速に広まり、多種多様な製品が登場した。しかし、日本では薬事法の問題もあり、認可を受けた製品はいまだ数社に過ぎない。
先ごろジーシーにより、新しいホームホワイトニング材「ティオンホーム」が厚生労働省の認可を受けて発売された。このホームホワイトニング材は、初の国内生産品であるという意味でも画期的な製品である。